こんにちは、北海道M&Aセントラルグループの藤田です。
本日は、黒字倒産が起こる原因についてお伝えさせて頂きます。
黒字倒産とは?
黒字倒産とは、帳簿上は利益が出ているのも関わらず、倒産してしまうことを指します。
赤字を出しながら倒産を迎えることはありながら、黒字倒産とは、黒字の状態で倒産してしまう場合を言います。
逆言うと、赤字を出し続けていても、第三者から資金援助をされることで倒産を免れて経営を続けることは可能ということになります。
なぜ黒字倒産がおこるのか?
黒字倒産が起こるパターンを2つ紹介します。
1、入金と支出のリードタイムの差による黒字倒産
例えば、ミニマムの事例でご説明しますと、
A商品の12月の売上が50万円としてその実際の入金が翌年3月になるとします。
12月時点で売掛金として50万円の売上を計上している状態です。
入金になるまでに間に12月に20万円の仕入れが必要となるが、
現預金が10万円しかない状態であったので、資金が足りずに倒産、という事例です。
帳簿上は12月に50万円の売上が立ち、仕入れは20万円なので利益として30万円の黒字ですが、
売掛金の回収の前に仕入費用の支払いが発生したため、その支払いを全うできずに倒産ということです。
小さい単位でシンプルな事例にて説明しましたが、
実際の経営上では、仕入れの他、様々な固定費を毎月支払っていく中、
売上の実際入金が追いつかずに支払いが滞っていき、キャッシュが不足することによる倒産という事例が、
一つの黒字倒産ということになります。
2、借入の返済が追いつかないことによる黒字倒産
2つ目の事例として、営業利益は創出できているものの、借入の返済が追いつかずに資金不足となり黒字倒産する事例です。
簡単な事例として、B事業を開始する上で、設備投資を1000万円必要とし、借入を起こし5年で返済する契約で、毎月20万円の返済があるとします。
1年目は返済を含めてキャッシュフローがプラスになったものの、
2年目から利益額が小さくなっていき、月々5万円程度の利益となってしまいました。
しかし、毎月20万円(元金18万円)の返済が追いつかず、黒字倒産。
返済額のうち利息部分は損金計上されますが、元金分は損金としてみなされないため、
帳簿上は月々5万円の利益が出ていても、毎月返済のうち18万円の元本返済部分がキャッシュフローのマイナスとなり、
結果的に黒字倒産という形をお伝えしました。
上記のような黒字倒産の場合で、キャッシュフローが足りずに第三者援助を模索し、
結果的に株式譲渡の形で資金調達を行うといった形も可能です。
銀行融資の選択肢の他に、M&Aによる資金調達の選択肢もあることを頭に入れていただければと思います。
本日は以上です。