M&Aコラム

【総論】企業価値算出方法ーインカムアプローチー①DCF法

こんにちは。北海道M&Aセントラルグループの藤田です。

 

前回ご紹介した企業価値/事業価値算出方法における大別した3つのアプローチのうち

1つ目の「インカムアプローチ」に関してになります。3つのアプローチの総論記事はコチラ。

【総論】企業価値・事業価値の算定に関して

 

インカムアプローチは、実践的な価値算出方法としてさらに3つに分けることができます。

・DCF法

・収益還元法

・配当還元法

DCF法はキャッシュフロー、収益還元法は平均収益、配当還元法は主に企業の配当に基づいた計算で評価することを意味します。

今回は、DCF法について詳しくお伝えしていきます。

 

○DCF法

インカムアプローチの中では最も一般的な価値算出方法です。

未来のある時点までのキャッシュフローを現在の価値に置き換え、その数値を元に企業価値を算出します。

「DCF」とはDiscounted Cash Flowを略したものであり、直訳は「割引されたキャッシュフロー」となります。

 

DCF法における計算式はこちらです。

【企業価値=FCF(フリーキャッシュフロー)÷割引率】

 

まずは FCF:フリーキャッシュフロー の計算方法です。

【FCF(フリーキャッシュフロー)=EBIT×(1-法人税率)+減価償却費-設備投資等±運転資本等の増減】

 

EBITとは、税引き前利益から支払利息や受け取り利息を除いた金額となります。

借入の比重が重くなると支払利息が増えるので、そういった変化を取り除いた指標となります。

 

FCF(フリーキャッシュフロー)の計算式で、減価償却費や設備投資が足されている理由としては

設備投資が多い事業になると、減価償却費も伴って大きな金額になることが多く、

実際のキャッシュの動きと乖離する原因となるので、その分を足し込んでいます。

 

次に割引率ですが、

加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital:WACC)を計算し、当て込む必要があります。

こちらの計算は複雑なので割愛致しますが、一般的に、ファイナンスでは以下のことを前提とします。

 

・時間の経過により、価値は低くなる

・リスクが大きいほど、価値は低くなる

 

ですので、リスクが大きい事業内容であれば、割引率は大きくなります。

また、どの事業であっても、時間が経過するごとに割引率は大きくなる、ということになります。

このファイナンスの基本理論に則り、加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital:WACC)は

計算されるということになります。

 

総括しますと、

フリーキャッシュフローを計算した後、その金額に割引率を適用していき、

n年後までの、割引率を適用したフリーキャッシュフローの合計値で、企業価値を算出する方法が

DCF法 ということになります。

 

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本日は以上になります。